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等によって約19万3千加入の加入電話に障害が発生した。
(10) 河川施設関係の被害
直轄管理河川については、淀川でゼロメートル地帯の堤防が延長1.8kmにわたり大きく沈下するなど、4河川の堤防や護岸等に32箇所の被害があった。また、府県・市町村管理河川については、武庫川等において堤防の沈下、亀裂等の被害が生じた。
(11) 海岸施設関係の被害
海岸保全施設については、岩屋海岸、野島漁港海岸、神戸港海岸、東播海岸等において、堤防・護岸の沈下、亀裂等が生じた。
(12) 土砂災害
土砂災害による被害については、死者37名、家屋の全・半壊46戸であった。特に西宮市の仁川百合野町において地すべりにより34名の犠牲者が生じるなど多大な被害が発生した。
(13) 農林水産業関係の被害
農林水産業関係の被害については、農地(約1,300箇所)、ため池等の農業用施設(約2,800箇所)、六甲山地をはじめとした林地(約80箇所)、淡路島北部、神戸市、明石市などの漁港施設(約20港)、農林水産業共同利用施設(約80箇所)、卸売市場(中央4施設、地方6施設)など各施設において甚大な被害が発生し、その被害総額は900億円程度である。
(14) 危険物施設関係の被害
危険物においては、火災や大規模な漏えい等の大きな被害は発生しなかったが、屋外貯蔵タンクの不等沈下に伴う傾斜や配管からの漏えい、防油堤に亀裂や割れが生じる等の被害が発生した。
1−4 阪神・淡路大震災における被害の特徴
今般の阪神・淡路大震災は、我が国における社会経済的な諸機能が高度に集積する都市を直撃した初めての直下型地震であり、人的被害について、死者6,308名、負傷者43,177名に上る甚大な被害をもたらした。発災後における各種の応急活動を迅速かつ的確に展開する行政機関等については、庁舎等の建物自体が損壊したり、通信機能が途絶するなどの被害が生じたほか、交通機関の寸断等により応急活動に必要な職員が十分に参集できなかったなど、中枢機能が自ら被災し、迅速かつ十分な応急活動が行えないものがあった。
阪神・淡路大震災は、わが国で初めて震度7を記録し、神戸市を中心に多数の建築物が倒壊した。建築物の被害の特徴としては、昭和56年に改正された現行の耐震基準以前の建築物の被害が大きく、特に、鉄筋コンクリート造では、昭和46年以前の建築物で倒壊等の甚大な被害が多いこと、現行の耐震基準による建築物については、倒壊等の大きな被害を受けた建築物のほとんどはピロティ形式の建築物であったこと等が挙げられる。参考1)また、木造住宅については、土葺き瓦、土塗り壁等を用いた古い住宅に被害が多く。最近建てられた現行の耐震基準を満たす住宅は、被害が少なかった。参考2)
この地震によるものと報告されている火災は、兵庫県、大阪府、京都府及び奈良県で発生しており、地震直後から290件を超える火災が発生した。
この火災による被害は、全体で、焼損棟数約7,500棟、焼失面積65万m2以

 

 

 

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